平成26年度佐賀大学学位記授与式式辞
学士、修士、博士の学位を授与された皆さん、佐賀大学を代表してお祝いと御礼を申し上げます。本当におめでとうございます。今日のこの日を迎えることになった皆さんは、入学以来真摯に勉学に励み、様々な困難に打ち勝ち、本日学位を授与されました。
特に母国を離れ本学で学ばれた留学生の皆さんには、言葉や習慣の異なった困難な環境の中で研鑽され、見事学位を取得されたことに敬意と感謝の意を表します。直接研究を指導された教員をはじめ、ご支援いただいた教職員の皆さんにも心より感謝と御礼を申し上げます。
また、ご参列いただいておりますご家族をはじめ、関係者の皆様はもとより、ご支援いただいた全ての皆様に、本日の学位記授与式を無事迎えられましたことを心よりお祝い申し上げます。
大学の使命は学術の中心として、高い教養と専門能力を培い、深く真理を探求して新たな知見を創造し、社会の発展に寄与することです。本学では、これらを踏まえて質の高い教育を目指し、また様々な学生支援に取り組んでまいりました。必ずしも十分ではなかったかもしれませんが、私ども教職員は、学位を取得した学生の皆さんを誇りに思います。
今日の急激なグローバル化や少子高齢化などは、我が国の社会活力の低下や経済環境の低迷、様々な格差や人間関係の希薄化などをもたらしています。このような閉塞感に満ちた現代であるからこそ、皆さんには生涯様々なことを学び続け社会の持続的な発展を支えていただくことを期待します。また、皆さんにとって本日は大学での最後の日となりますが、大学生活はあくまで学びの一過程に過ぎず、これからも生涯にわたっていつでも何度でも様々なことを学び続けていくこととなります。
江戸期佐賀藩の山本常朝らが残した葉隠の中に「大慈悲を起こし人の為になるべき事」とあります。この言葉には、自ら高い志を持って、教養と見識を涵養し、社会の一員として絶えず人間力を高めつつ様々なことに挑戦してほしいという意味が込められております。皆さんにも是非この言葉を心にとめおいてほしいと思います。
本学は佐賀県との連携による有田焼の人材、技術、文化などの基盤強化や地域医療の中核である医学部附属病院の再整備をはじめとする様々な取り組みを現在行っており、引き続き教職員と残された在学生一同力を合わせて、皆さんに愛される母校となるよう、より一層努めてまいります。これからは、同窓会の一員として本学を、そして後輩たちをよろしくお願い申し上げます。
最後に、佐賀大学で学んだことを誇りと糧として、皆さんがこれまで培ってきた知識や技能を活かし、様々な困難に打ち勝って、世界やそれぞれの国のために、そして地域社会のために貢献していただくことを重ねてお願いして、学位授与の式辞とさせていただきます。
平成27年3月24日
国立大学法人佐賀大学長 佛淵 孝夫