平成26年度国立大学法人佐賀大学入学式告辞
本日、入学式を迎えられました新入生の皆さん、大学院へ進学の皆さん、おめでとうございます。また、ご臨席いただきましたご家族並びに関係者の皆様、おめでとうございます。
このたび晴れて、佐賀大学に入学された皆さんは、本日から大学生としての第一歩を踏み出すことになります。本学は文化教育、経済、医、理工、農の5つの学部や海洋エネルギー研究センターを始めとする複数の研究センターを有している総合大学です。これから皆さんは自身の学部はもとより、異なる学部の同級生や先輩たちとも交流をもつことができます。また、これまで皆さんが過ごしてきた高校とは異なり、本学には様々な出身地の学生や300名近い留学生が学んでおり、言わば国際社会の場でもあります。
一方、大学院に進学される皆さんは、より高度な知識と技能を身につけ、社会の困難な課題に取り組むべく研鑽していただくことになります。これまで以上に高いレベルでの自立した個人としての自覚が求められます。
母国を離れこれから本学で学ばれる留学生の皆さんは、言葉や習慣の異なった困難な環境の中ではありますが、十分研鑽されますことを期待しております。これからの大学生活が一生の思い出となり、佐賀が第二の故郷となることを念願しております。また、今回初めて自宅を離れ、一人暮らしを始める新入生の皆さんにも言えることですが、まずは健康や生活全般にわたって、自覚ある自己管理をお願いしたいと思います。
本学の歴史は、明治17年に創設された佐賀師範学校まで遡ることができます。その後大正9年に設立された旧制佐賀高校、大正14年に設立された佐賀県立佐賀実業補習学校教員養成所を起源とする佐賀青年師範学校、これら3つの学校が統合する形で、昭和24年5月に旧佐賀大学が現在の本庄地区に、また昭和51年10月に旧佐賀医科大学が現在の鍋島地区に設立されました。そして平成15年10月になり、旧佐賀大学と旧佐賀医科大学が統合し、現在の5学部からなる佐賀大学が誕生しました。平成16年4月には全ての国立大学が法人化され、私たちの大学は「国立大学法人佐賀大学」という正式名称になっています。
さて、大学の使命は学術の中心として、高い教養と専門能力を培い、深く真理を探求して新たな知見を創造し、社会の発展に寄与することです。本学では、「基礎的及び専門的な知識と技能に基づいて課題を発見し解決する能力を培い、個人として生涯にわたって成長し、社会の持続的発展を支える人材を養成する」ことを理念とし、教育と学生支援に取り組んでいます。すなわち、学修面のみならず日頃の生活や就職面などの学生支援にも重点を置いた「面倒見の良い教育」を目指しているところです。
大学とは「生涯にわたって自ら学ぶ姿勢」を身に付ける場であると言えます。学部学生として入学された皆さんに是非お願いしたいことは、自分の専攻分野をしっかり学修することは勿論ですが、異なる分野にも是非チャレンジして欲しいということです。また、サークル活動や地域における様々なボランティア活動に積極的に参加することも含め、他の学部の学生や先輩たち、留学生や地域の方々との交流の場を持つことは生涯の財産となります。もうひとつお願いしたいことは読書です。受験勉強から解放された今が読書のまたとないチャンスであり、生涯の書と出会う貴重な時期です。
大学院に進学され専門を極めるべく研究生活に踏み出す皆さんには、社会との関わりの中でより深い思考と実践力を身につけていただきたいと考えています。今後さらに、知識や技能に併せて幅広く深い人間力を養い、将来様々な分野においてリーダーとして活躍していただきたいと思います。
本学には、昨年10月に旧佐賀大学と旧佐賀医科大学との統合10周年を記念して開館した「佐賀大学美術館(SUAM)」を始め、地域学歴史文化研究センターなど本学の歴史や文化芸術の成果を物語る場所がたくさんあります。さらに本庄?鍋島キャンパス以外にも佐賀県域全てが本学のキャンパスと言えるかもしれません。自然や歴史、文化などに恵まれたこの佐賀での学生生活は豊かな人間性を涵養するのに最適な環境です。是非、皆さん自身でそれを感じ取っていただきたいと思います。
いずれにしても、最初の半年が皆さんの大学生活と将来を決定づける時と言っても過言ではありません。まずは、大学に進学した目的と意義を考えながら、充実した時間を過ごしていただきたいと思います。皆さんがこれからの長い人生において、その目的を達成するための新たな一歩がここに始まります。何よりも高い志を持って自分を磨いていただきたいと思います。
私たち佐賀大学は「地域と共に未来に向けて発展し続ける大学」を目指して、教職員と学生が一体となった「学生中心の大学」を標榜しています。これからの数年間が皆さんの人生にとって輝ける時間でありますよう、全ての学生の皆さんに対して、最大限の支援とエールを送るべく教職員一丸となって取り組んでまいります。
最後に私どもの大学を選んでいただき、晴れて本日入学式を迎えられた全ての皆さんと皆さんを支えてくださったご家族、関係者の皆様に改めてお祝いと御礼を申し上げまして、入学式の告辞とさせていただきます。
平成26年4月3日
国立大学法人佐賀大学長 佛淵 孝夫
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